年次有給休暇の付与義務
残業0法案の次は、年次有給休暇の付与義務の法定化というものが出てきました。
私はこれには、かなり疑問を感じます。
確かに、現状の取得率が低いのはありますし、取れない職場環境や、取得を良しとしない経営者の存在もあるでしょう。
しかし、本来は「個人の権利」に属するお話であり、国がそれを強制することがはたして良いことなのか?
こう書くと「でも、実際に取れない人もいるのだから」という反論が帰ってきそうですが、そのお気持ちも分かるんです。確かに、取りたいのに取れない・・・そんな方も多くいらっしゃるのは感じます。
でも、権利には義務がついて回るのが当然だと思うんです。
ん?何の話かって?
年次有給休暇の場合、現行の法律では、
・義務・・・予め日を指定して、申し出る。
・権利・・・指定した日の労働を免除される
と言う事になります。この義務を無くしてしまうのは如何なものなのでしょう?
個人の権利を守るのは、個人です。
この事は忘れてはいけないと思います。
行政の窓口にいると、良くこういう方がいらっしゃいます。
「税金で給料貰っているんだから」
「行政は何もしてくれない」
「お前の下着も、俺の払った税金で買っているんだぞ!」等々・・・
何か勘違いされていますよね。
行政は、個人の権利を代行したり、個人の権利の行使を守ったりするところではありません。
国のシステムや、法律を守るためにあるんです。そのために税金から給与を貰っているんです。
と、話がそれましたが、とにかく権利の行使に対して、あまり国が管掌することは如何なものかと思うのです。
請求もせず、周りにも気を遣わず、権利としての年次有給休暇を甘受するだけ・・・あまりにも情けないと思うんですよね。
結局は、権利に対する意識が下がっていく・・・これって実は非常に危険なことだと思うんです。